インプラントとブリッジの6つの違いを解説|歯を失ったときの治療法の選び方

失った歯を補う方法の中でも、インプラントとブリッジは取り外しの必要がないという特徴をもつ治療法です。
どちらも食事の際に比較的しっかりと噛むことができ、見た目も自然に近づけられるため、食事や会話の際に違和感を覚えにくい治療法です。
今回は、噛み心地や周囲の歯への負担、治療期間といったポイントを中心に、インプラントとブリッジの違いをわかりやすく解説します。

須永 亨 院長
2007年 明海大学歯学部 卒業2008年 明海大学臨床研修医修了
2008~2014年 関根歯科医院 勤務
2014~2016年 大塚歯科医院 勤務
医院名:すなが歯科クリニック
所在地: 〒363-0008
埼玉県桶川市大字坂田1011-1
Contents
インプラントとブリッジの6つの違い

インプラントとブリッジは、どちらも失った歯の機能と見た目を回復させる治療法ですが、それぞれ特徴が異なります。
インプラントは、顎の骨に人工の根を埋め込み、その上に人工の歯を取り付ける方法です。
一方、ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、橋をかけるように人工の歯を固定する治療法です。
1.周囲の歯への影響
インプラントは失った歯の部分だけに人工の根を埋めるため、周囲の歯への負担を抑えられる治療法といえるでしょう。
一方、ブリッジは失った歯の両隣の歯を支えにするため、健康な歯を削る必要があります。また、支えとなる歯に負荷がかかる点にも注意が必要です。
2.見た目の自然さ
インプラントは人工の歯が独立しており、形や色を自由に整えられます。
周囲の歯に合わせた自然な見た目に仕上げることができ、笑ったときにも違和感が少ないのが特徴です。
ブリッジも隣の歯の形や色に合わせて作製するため、自然な見た目を目指せる治療法です。
ただし、支えとなる歯の形や位置によっては、見た目にやや人工的な印象が出る場合があります。
保険適用外の白い素材を使用したブリッジであれば、より天然歯に近い色調や質感を再現するのも可能です。
3.噛み心地
インプラントは顎の骨に直接埋め込まれるため、自立して安定し、天然歯に近い感覚で食べものを噛めます。
そのため、食事中に噛み心地で違和感を覚えるケースは少ないといえるでしょう。
実際に、インプラント治療後20年以上経過した患者様を対象としたアンケート調査では、60歳代の約85%、70歳代・80歳代も75%以上の方が「何でもよく噛める」と回答したと報告されています。
アンケート調査の結果からも、長期間にわたり噛む力を保つ効果が期待できることがわかります。
(参考:J-STAGE|日本口腔インプラント誌「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」p53-173 図8年齢と食生活) >
一方、ブリッジは両隣の歯に支えられて人工歯が固定されるため、噛む力は比較的安定しているものの、インプラントと比較すると、残っている歯の状態によっては、やや劣る場合があります。
4.顎の骨への影響
インプラントは人工の歯根(インプラント体)が顎の骨に直接刺激を与えるため、骨の形や量を維持しやすいと考えられています。
顎の骨は、噛む力などの刺激が加わることで保たれる性質があるためです。
一方、ブリッジは隣の歯を支えにして人工歯をかけるため、失った歯の部分の骨には直接的な刺激が伝わりません。
そのため、骨への刺激や影響はインプラントとは異なります。
5.治療期間
インプラントは、人工歯根を顎の骨に埋め込む手術を行い、その後、骨としっかり結合するまで待つ期間が必要です。
そのため、全体の治療期間は比較的長く、数ヶ月から半年以上かかる場合もあります。
ブリッジは、支えとなる歯を削って型取りを行い、完成した人工歯を装着して治療を行います。
外科手術は不要なため、治療期間は比較的短く、数週間で完了することが多いでしょう。
ブリッジは、なるべく早く治療を終えたい方にとって、選択肢の一つとなります。
6.手術の必要性
インプラントは顎の骨に人工の歯根を埋め込む手術が必要です。
そのため、お口の中だけでなく、糖尿病や骨粗しょう症、貧血、高血圧症などの基礎疾患や服薬状況など、全身の状態を把握する必要があります。
一方、ブリッジは手術の必要がないため、手術に不安がある方や全身疾患がある方でも選びやすい治療法です。
インプラントとブリッジの選び方
インプラントとブリッジは、どちらも失った歯を補う治療法ですが、メリットや注意点には違いがあります。
そのため、ご自身のお口の中の状態や生活習慣に合わせて、治療を選ぶことが大切です。
インプラントがおすすめな人の特徴

インプラントは、次のような方におすすめの方法です。
・自然な見た目で、見た目の印象も回復したい方
・健康な歯を削りたくない方
・硬い食べものも、しっかり噛める噛み心地を重視する方
・顎の骨の状態が良好な方
・将来的な歯や顎の骨への負担をできるだけ抑えたい方
インプラントは、顎の骨にしっかり固定されるため、硬いものでも安心して噛める点も特徴です。
周囲の歯や顎の骨の健康を守りながら、しっかりとした噛み心地と自然な見た目が得られる方法といえるでしょう。
ブリッジがおすすめな人の特徴

両隣の歯を支えに人工の歯を固定する「ブリッジ」は、次のような方におすすめの方法です。
・手術に不安がある方
・できる限り治療期間を短くしたい方
・費用を抑えつつ、失った歯を補いたい方
ブリッジは手術が不要で、治療期間が短くすむため、早く歯を補いたい方や、全身の健康状態の関係で手術が難しい方に向いています。
インプラントもブリッジも、治療後のメンテナンスが重要
どちらの治療においても、長くお口の健康を保つには、治療後のメンテナンスが重要です。
ブリッジでは、支えている歯を健康に維持するために、むし歯や歯周病予防といったケアが大切です。
また、インプラントでは、インプラント周囲炎の予防といった観点からも、治療後のメンテナンスが欠かせません。
インプラント周囲炎とは、お口の中の細菌によって、インプラント周辺の歯ぐきや顎の骨に炎症が引き起こされる感染症です。
天然の歯の歯周病と同様に、歯ぐきの炎症や出血が見られ、進行するとインプラントが脱落するリスクとなります。
こうしたトラブル予防のためにも、定期的な歯科でのメンテナンスとご自宅での毎日のセルフケアを並行して行いましょう。
定期的な歯科でのメンテナンス

インプラントやブリッジにて失った歯を補う治療を受けた後も、歯科での定期的なチェックが欠かせません。
定期検診ではおもに以下の確認・ケアを行います。
・装着したインプラントやブリッジの状態の確認
・歯ぐきの健康状態のチェック
・歯垢や歯石の除去
・むし歯の早期発見
・かみ合わせの確認
・歯磨き指導 など
歯科では、専用の器具を用いて歯ブラシでは落としきれない歯垢や歯石を、丁寧に除去します。
歯垢は細菌のかたまりで、むし歯や歯周病の原因となります。
歯垢が歯の表面に付着したまま時間が経過すると、石のようにかたい歯石へと変わり、歯ブラシでは取り除けません。
歯石は、スケーリングと呼ばれる歯科処置によって除去する必要があるため、自宅のケアに加えて、歯科での定期的なケアが重要なのです。
検診では、年齢や歯並び、全身の健康状態、生活習慣や食生活などを考慮し、お一人お一人の状態に合わせたメンテナンスを行います。
毎日のセルフケア

お口の健康維持には、歯科検診だけでなく、ご自宅でのセルフケアも欠かせません。
特にむし歯や歯周病、インプラント周囲炎の予防には、原因となる歯垢の除去が重要です。
細菌のかたまりである「歯垢」は歯と歯のすき間や歯と歯ぐきの境目、奥歯の噛む面の溝に残りやすい傾向にあります。
特に、歯と歯のすき間は歯ブラシの毛先が届きにくいため、歯間ブラシやデンタルフロスを活用して歯垢を取り除きましょう。
食後や就寝前のブラッシングを意識し、むし歯や歯周病のリスクを減らしましょう。
歯を失ったあとは、歯科へ早めに相談しましょう

インプラントとブリッジは、周囲の歯への影響や噛み心地、手術の必要性などの点で違いがあります。
それぞれの特徴を理解し、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。
当院では、インプラントの検査・処置に欠かせない歯科用CTを導入しています。
お口の中を3Dで立体的に確認できるため、歯や顎の骨、神経や血管の位置まで把握することが可能です。
失った歯を補う治療でお悩みの方は、当院までご相談ください。
治療後の定期的なメンテナンスにも力を入れており、歯周病リスクが高い方は月に1回、特に問題のない方でも年3~4回、半年に1回の間隔でのチェックをおすすめしております。









