むし歯治療の詰め物と被せ物の違いとは?それぞれの特徴や適したケースを解説

「むし歯が見つかったけれど、詰め物ですむのかな?」「被せ物になると何が違うの?」と疑問に思っていませんか。
むし歯治療では、むし歯の大きさや歯の状態に応じて、詰め物と被せ物のどちらを使用するかを判断します。
どちらも歯を修復する治療ですが、歯を長く健康に保つためには、お口の状態に適した治療を受けることが大切です。
今回は、詰め物と被せ物の違いやそれぞれが選ばれるケース、治療の流れについてわかりやすく解説します。

須永 亨 院長
2007年 明海大学歯学部 卒業2008年 明海大学臨床研修医修了
2008~2014年 関根歯科医院 勤務
2014~2016年 大塚歯科医院 勤務
医院名:すなが歯科クリニック
所在地: 〒363-0008
埼玉県桶川市大字坂田1011-1
Contents
詰め物と被せ物の違いは、歯を削る範囲と修復する大きさ
詰め物と被せ物は、どちらもむし歯で失われた歯を補うための治療ですが、大きな違いは歯を削る範囲と修復する大きさです。
むし歯が比較的小さく、健康な歯を十分に残せる場合は「詰め物」が選ばれます。
一方で、むし歯が大きく歯を大きく削った場合や、歯の強度を保つことが難しい場合には「被せ物」が選択されます。
詰め物とは

詰め物とは、むし歯で削った部分だけを補う修復物で、比較的小さなむし歯に対して行われる治療です。
歯は表面を覆う「エナメル質」、その内側にある「象牙質」、さらに中心部の「歯髄(しずい)」で構成されています。
むし歯が比較的浅く、エナメル質や象牙質までにとどまっている場合は、詰め物で治療できる場合があります。
詰め物には、歯科用プラスチック(レジン)を直接お口の中に詰める方法と、型取りをして製作した修復物(インレー)を装着する方法があります。
レジンによる治療は型取りが不要なため、一般的には1回の治療で完了します。
一方、型取りをして製作する詰め物は、後日装着するため複数回の通院が必要です。
歯を必要以上に削らず、健康な歯をできるだけ残しながら治療できることが、詰め物の特徴です。
被せ物とは

被せ物(クラウン)とは、歯全体を覆うように装着する修復物です。
むし歯が大きく歯質を多く失った場合や、歯が欠けて強度が低下している場合などに選択されます。
被せ物で歯全体を覆うことで、歯の強度を補強できます。
被せ物の素材にも、保険診療・自由診療のさまざまな素材があり、機能性や審美性などを考慮して選択します。
詰め物と被せ物は歯の状態に応じて選択される

詰め物と被せ物は、それぞれ適したケースが異なるため、むし歯の状態に応じて選択されます。
「できれば詰め物で治療したい」と考える方も多いでしょう。
しかし、詰め物と被せ物のどちらが適しているかは、むし歯の大きさや残っている歯の量、かみ合わせなどを総合的に確認して判断します。
たとえば、歯を大きく削った状態で無理に詰め物を選ぶと、噛む力によって歯が割れてしまうおそれがあります。
一方で、詰め物で十分に対応できる場合に、必要以上に歯を削って被せ物にすることはありません。
歯を長く健康に保つためにも、それぞれの特徴を理解し、お口の状態に合った治療法を選ぶことが大切です。
詰め物・被せ物にはどのような種類がある?

詰め物・被せ物には、コンポジットレジンを直接詰める方法のほか、CAD/CAM冠・CAD/CAMインレーのようにコンピューターで設計・製作した修復物を装着する方法があります。
詰め物・被せ物に使用する素材には、さまざまな種類があり、それぞれ特徴や適応が異なります。
保険診療の素材
治療する歯の部位や症例に応じて、保険適用となる素材を使用した詰め物・被せ物を選択できる場合があります。
ただし、保険診療で使用できる素材や適応できる歯には一定の条件があります。
お口の状態に適した素材を歯科医師と相談しながら選びましょう。
セラミックなどの自由診療の素材
自由診療では、天然歯に近い見た目や機能性を重視した素材を選択できます。
自由診療で選択できる素材の一つであるセラミックは、天然歯に近い色合いや透明感を再現しやすいことが特徴です。
また、表面がなめらかなため汚れが付着しにくく、お口の中を清潔に保ちやすい傾向があります。
ただし、費用負担が大きくなる場合があるため、予算や治療目的も考慮して選ぶことが大切です。
素材選びのポイント
詰め物・被せ物の素材を選ぶ際は、次のような点を考慮しましょう。
・治療する歯の位置(前歯・奥歯など)
・噛む力やかみ合わせ
・見た目(審美性)
・費用
・金属アレルギーの有無
それぞれの素材には、見た目や耐久性、汚れの付きにくさ、費用などに違いがあるため、ご自身のお口の状態やライフスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
詰め物・被せ物ができるまでの治療の流れ

詰め物・被せ物の治療は、お口の状態を確認した上で、むし歯の除去や型取りなどを行い、修復物を装着します。
診査・検査
まずは、お口の中の状態や、むし歯の大きさ、進行具合を確認します。
必要に応じてレントゲン撮影を行い、歯の内部や歯の根の状態も詳しく確認することが大切です。
むし歯の進行状況を確認し、初期段階であれば削らずに経過観察を行うことがあります。
穴が開いている場合は、むし歯がエナメル質や象牙質までなのか、神経(歯髄)まで達しているのかを確認します。
むし歯を取り除く
治療では、むし歯に侵された部分を丁寧に取り除きます。
むし歯を取り残すと再発の原因になる一方で、健康な歯を削りすぎると歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
そのため、必要な部分だけを慎重に削り、修復物が適切に装着できるよう歯の形を整えることが大切です。
型取り・製作
むし歯を削ったあと、型取りが必要な詰め物・被せ物は、歯型を採取して修復物を製作します。
当院では、必要に応じて従来の印象材による型取りに代わり、3D光学カメラで歯型を採取するセレックシステムを使用しています。
セレックを使用することで、印象材による型取りが苦手な方にも配慮した、歯型の採取が可能です。
装着・調整
完成した詰め物・被せ物を歯に装着し、かみ合わせや装着状態を確認します。
わずかな高さの違いであっても、噛んだときの違和感や、歯への負担につながるケースもあるため、必要に応じて細かく調整を行います。
装着後は、長く快適に使用するためにも、定期的な検診とメンテナンスを受けることが大切です。
詰め物・被せ物を長く使うためのポイント

詰め物・被せ物は、毎日のケアや定期的なメンテナンスの継続によって、長く快適な状態を維持しやすくなります。
むし歯の再発や修復物のトラブルを防ぐためにも、毎日のセルフケアと歯科での定期的なチェックを続けましょう。
毎日のセルフケア
詰め物・被せ物を長持ちさせるには、毎日の歯磨きが欠かせません。
特に、磨き残しによって、細菌のかたまりである「歯垢(プラーク)」が修復物と歯の境目にたまると、むし歯が再発する原因になります。
歯ブラシだけでは汚れを落としきれない部分もあるため、デンタルフロスや歯間ブラシも併用するとよいでしょう。
定期検診・クリーニング
定期検診やクリーニングでは、セルフケアで落としきれない歯石や着色を除去できるだけでなく、修復物の劣化やむし歯の再発なども早期に発見しやすくなります。
そのため、詰め物・被せ物に問題がなくても、定期的に歯科で検診やクリーニングを受けることが大切です。
実際に5年間の観察では、定期検診やクリーニングで行われる「歯石除去」や「歯面清掃」を、定期的に受けた方の平均喪失歯数は0.37本だったのに対し、受けなかった人は1.39本という報告があります。
定期検診は、詰め物・被せ物だけでなく、ご自身の歯を長く守るためにも大切です。
歯科で定期的にかみ合わせを確認する
詰め物・被せ物を装着したあとも、時間の経過とともにかみ合わせが変化することがあります。
かみ合わせに問題があると、一部の歯に強い力がかかり、修復物が欠けたり外れたりする原因につながる場合があるのです。
定期検診では、かみ合わせの状態も確認し、必要に応じて調整を行います。
違和感や噛みにくさを感じた場合は、早めに歯科で確認しましょう。
必要に応じたメンテナンス
詰め物・被せ物を長く快適に使い続けるには、定期的に状態を確認し、必要に応じて調整や交換を行うことが大切です。
また、歯ぎしりや食いしばりなどで修復物に負担がかかる場合は、負担を軽減するためにナイトガード(マウスピース)を使用する場合があります。
歯科医師の指示に従って適切なメンテナンスを続けることで、詰め物・被せ物を維持しやすくなるでしょう。
詰め物・被せ物のご相談は当院まで

詰め物と被せ物は、歯を削る範囲や歯の状態によって適した治療法が異なります。
また、使用する素材によって見た目や耐久性、費用なども異なるため、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身に合った治療法を選ぶことが大切です。
当院では、お口の状態を丁寧に診査し、患者さまお一人お一人のお悩みやご希望をうかがいながら、適した治療方法をご提案しています。
また、口腔内スキャナーを用いたセレックシステムを導入しており、コンピューターで詰め物・被せ物を設計・製作することが可能です。
従来の粘土のような材料を使った型取りが苦手な方にも配慮した治療を行っております。
詰め物・被せ物について不安なことがある方、むし歯治療についてお悩みの方は当院までご相談ください。









